ぼくの本棚251:クラウド・コンピューティング by 西田宗千佳
クラウド・コンピューティングという言葉をご存じだろうか。
Web2.0の次にくると聞いて「ああ、またか」と思う方も多いかもしれない。
記号論に振り回されると、ブームが去ったとたん空しさと疲れを感じる経験は誰しもある。
しかし一方で、暗黙知のままではわからなかったことが、記号化され、形式知になった途端
世界のメインストリームになり、眠っていた多くのチャンスが時限発動することもある。
クラウド(雲)とは利益を生む巨大な恵みの雨、レインメーカーのことだ。
しかもその向こうにはどれだけの富があるかまだわからない。
この、まだわからないものが数年前から静かに動き始め、もう富の一端はそこまで来ている。
これまでのライバルを蹴落とし続ける競争原理の可笑しさから、
共創し同じゴールを目指す方が巨大な富になることに気づいたものが
一抜けする新しいゲームだ。
はたしてクラウドはブーム(一過熱)からトレンド(時代波)になるのか。
21世紀初頭、利益の勝敗で始まったゼロサム社会が、心の豊かさや本質に目覚め、
22世紀に向け真の共創社会を築けるかが、ITの分野でも今試されている。
編集長 尾中謙文
Text by onaka
