ぼくの本棚232:ほんとうの環境問題 by 養老孟司/池田清彦
土用の丑の日には鰻が気になる。
平賀源内が作ったコピーに250年以上も影響を受けている日本人は、僕だけではない。
中国産の食物の危険性が喧伝されて久しいが、
有機塩素系殺虫剤「エンドスルファン」や合成抗菌剤「マラカイトグリーン」の代謝物である
「ロイコマラカイトグリーン」が鰻から検出されたと聞くと、蒲焼きも遠のいていく。
魚資源を増やすことには先進的なノウハウを持つ日本人が、食料自給率に苦しんでいるのは何故か。
本書を読むと、驚くほど簡単に問題の本質に近づくことができる。
「国内で食べられるものを食べずにただ捨てて、輸入した食べ物でも三割は捨てる、
ということをやっているその一方で、食料自給率を上げようというのは、どこかチグハグな話である。」
減らすことが不可能なCO2削減を約束した京都議定書については
「日本にはグランドプランがまったくない。
京都議定書に関する政策も、食料に関する政策も、グランドプランがまったくない。
環境問題にしても本当の問題を知らされていないという意味で、日本国民は不幸だと思う。」
知らされていない本当の問題とは何か。
本書を読めばわかる。
編集長 尾中謙文
Text by onaka
