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ぼくの本棚207:理性の奪還 by アル・ゴア

2008.04.07 Monday

ゴアはハーバード大卒業後、従軍記者としてベトナム戦争に行き、戦争の悲惨さをいやというほど経験した。だからこそアブグレイブ収容所で行われた人権、人道を無視した過酷な取り調べや拷問には、ことのほか目が鋭くなる。
民主主義とは何か。人間が理性を保ち、正常な思考力と判断力を持ち、分別、良識に基づいて考え、行動することができる状態だ。そして、これこそが合衆国憲法最大の美点のはずだ。その米国があろうことか、ブッシュの一存でイラク戦争を始めたのだ。当時のテロ対策大統領補佐官は、911はアルカイダの仕業でイラクの関与では無いと否定し、CIAはイラクの証拠がないと警告したのにも関わらず、ブッシュがこれを無視し開戦したことで、3000人の米国人と数万人のイラク人の命が失なわれた。
本書にはその時のホワイトハウスが克明に描かれている。しかも驚くべきことに、戦後の計画はイラク侵攻中も全く無く、チェイニー副大統領らはイラクの石油省の施設を確保し、埋蔵石油をいかに獲得するかを企む。裏ではエンロンやエクソン・モービルが暗躍する。バクダッド政府は2007年、イラクの埋蔵石油開発を米英の石油会社に与えた。米国は7000億ドルという莫大な経費を使って得た石油開発権とは裏腹に、2008年石油の高騰で物価も高騰し、皮肉にもサブプライム問題によって金融システムさえも決定的な打撃を受けていく。

編集長 尾中謙文

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Text by onaka

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