ぼくの本棚194:孔子/人間、どこまで大きくなれるか by 渋沢栄一
今、中国では論語が流行っている。CCTV(中国版NHK)で論語の読み方の番組を持っている于丹(ウータン)さんが書いた本は、去年1000万部を売る大ベストセラーになった。孔子は紀元前552年に生まれた。2500年以上も前の人生訓が今、何故こうも売れるのか。これは昨今の薬物混入問題とも大きく関係している。今まさに中国や日本の社会で、人と人を繋ぐ信頼や信用が試されてされている。孔子が生きた当時、魯の国は秩序が乱れていた。やがて孔子をもってしても亡命生活を余儀なくされる。魯を離れた14年に渡る流浪生活の中で、孔子は道徳に基づいた秩序や理想が最も大切だと気づき、多くの指導者にこれを説いた。ようやく魯国に帰った時、孔子はすでに70歳になろうとしていた。論語は一言一句が日常生活の考え方や行動を基本にしており、哲学書にしては珍しくすぐに役に立つ実用書だ。本書は渋沢栄一の解説が入り、孔子の考えの裏側まで読むことができる。あなたにとって世の中の道理とは、物事の物差しとは何だろうか。
編集長 尾中謙文
Text by onaka
