ぼくの本棚183:非線形科学 by 蔵本由紀
インターネットが急激に拡大した裏側に、リスペクト(尊敬)したものをシェア(共有)する、人間の本質的な行動要素が含まれていることは周知の事実だ。複雑で多様な社会になればなるほど、ネットの世界では、少数のステップで見ず知らずの人と繋がるスモールワールドネットワークが生まれる。例えば知人関係が100人あるとすると、2段階で繋がる人は100の二乗で1万人、3段階で100万人、4段階で1億人、5段階で人口のすべてをカバーしてしまう。現実世界では不可能だった世界中と「繋がる」ことをネットは簡単に可能にしてしまう。さらにリンクを繋ぎ変えるだけで新たなネットワークが生まれる。しかしネットワークの成長は新たな情報格差を生んでしまう。多くの発着便を持つハブ空港などはこうしたネットワーク理論を応用しているが、現実というカオスで起きる課題には対応しきれていない。こうした一見手の着けようが無い、複雑な自然現象にも能動因を解明する方法がある。非線形科学とは何か?本書では具体例をあげながら説明しているが、全てを理解するには骨が折れるに違いない。
編集長 尾中謙文
Text by onaka
