ぼくの本棚 122:ヒラリーとライス アメリカを動かす女たちの素顔 by 岸本裕紀子
元ファーストレディにして弁護士というダブルメジャーのヒラリーと、黒人にして女性スタッフというダブルマイノリティのライスが互角に扱われるのは、米国ならではの実力主義ということなのか。スタンフォード大の教授だったライスが国務長官になっていくサクセスストーリーはとてもエキサイティングだし、ヒラリーがビル・クリントンをつくり米国を裏から動かしていたのは周知の事実だ。しかし本書で秀逸なのは、むしろクリントンに関する詳細なバックサイドストーリーだ。「クリントンの父は彼がまだ母親の胎内にいるとき、交通事故で亡くなった。母は看護婦だったが、看護婦の高等教育を受けるため、一歳になった息子をガソリンスタンド兼よろず屋を営んでいた祖父母に預けた。4歳のとき、母はセールスマンをしていたロジャー・クリントンという男と再婚する。しかし新しい夫は酒乱で暴力をふるう男で、クリントンと幼い弟は毎晩聞こえてくる両親の喧嘩に耐えていたという」大統領の知られざる事実が本書で十分味わえるはずだ。
編集長 尾中謙文
Text by onaka
