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ぼくの本棚 120:ノーザンライツ by 星野道夫

2007.07.13 Friday

カムチャッカ半島でクマに襲われ逝去した、写真家・文筆家の星野道夫氏の本を時々読み返すと、星野氏がまだどこかで生きているような気がする。時空を超えた瑞々しさと、正直で清涼感に溢れた文体に触れると、アラスカの蒼い空のように、心が清々しい気持ちになる。星野氏による正確なドキュメントは、時に震え上がるような未来を暗示する。核実験による放射能がカリブーを侵し、それを食べたエスキモーの身体から放射能が見つかるのだ。放射能がゆっくり全生態系を侵すという、不安な未来を予見しながら、どうすることもできず、ただそこを去って行くだけの、エスキモーより先の見えない不安な自分の未来を静かに内観している。本書を読むと、CO2が増え、放射能に汚れた大気とともに、このまま生き続けていることが、明らかに地球的生き方に逆行している、という感情が沸々と湧き上がって来るのだ。

編集長 尾中謙文

Text by onaka

ぼくの本棚 | TB: 0

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