2008.06.16 Monday
河鍋暁斎をご存知だろうか。暁斎は幕末明治期に活躍した天才画家だ。
本書は明治初期、鹿鳴館を設計したジョサイア・コンドル(暁斎の弟子)によって著された。
コンドルが見た暁斎の天才性とは何だったのか。
「記憶力によって自然の形態を心に留めると同時に、
目には見えても紙には写せぬ自然の動きを心に捉えている」
と暁斎の詳細な観察をしている。
「墨絵では黒と白の配合の中に光と闇の結合の効果が表され、
これが多分に自然の中に見られる多様な色調の代わりをなしている」
複雑な濃淡で表現する水墨画の陰翳の魅力を、コンドルは正確に捉えている。
暁斎は小泉八雲/ラフカディオ・ハーンや動物学者モース、医師ベルツなど
明治初期の親日家に愛された。
コンドルを始め美術家が江戸美術を正当に評価したことで、
パリを中心にジャポニズム旋風が吹き荒れ、江戸時代の浮世絵、水墨画の多くが欧米に流出した。
編集長 尾中謙文

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2008.06.13 Friday
秋葉原で凄惨な無差別大量殺人事件が起きた。
つい先日、土浦で同様の事件が起きたばかりだ。
25才の犯人は殺した人の未来など全く考えていない。
自分に起こる悪い出来事は他人や社会のせいにし、
自分の人生が思い通りにならないとキレるのは何故か。
自分だけが勝ち抜くことだけで、
自分、相手、社会のすべてが良くなるイメージを今の教育システムは教えていない。
確かに知識や智慧は人の器を創る。
しかし感動の経験という中身が無いと魅力ある個性は生まれない。
この器と中身の日々の切磋琢磨によって教養が身につき、ぶれない生き方ができる。
本書では社会貢献とは具体的にどういうことなのか、
社会を変え行動することはどういうことなのか、という目印になる人が世界中から80人も登場する。
多くのインスピレーションを与えてくれ、生き方を考えさせられる豊かな本だ。
編集長 尾中謙文

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2008.06.09 Monday
もうすぐ洞爺湖サミットが開催する。地球環境の悪化スピードは日を追って加速度化している。
このままでは地球温暖化は止まらない。
温暖化によって備えなければならないのは新型ウイルスの感染症だ。
鳥インフルエンザは、やがて広がるのがわかっていながらワクチン製造をけちって何になるのか。
このままでは確実に国民の何割かは死ぬ。
相変わらず厚生省は現実を直視しておらず、後手悪手が多い。
本書はワイズマンの想像力によって様々な仮説が出現する。
人間が地上から消えたあと世界はどうなるのか、という問題だ。
ワイズマンは最新科学によって数日後から300百年後の隅々に至るまで、
リアルな未来を描き出すことに成功している。
本書はタイム誌やアマゾンのベストノンフィクションに選ばれた。
あなたは地球の未来について考える時間を少し取れないだろうか。
編集長 尾中謙文

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2008.06.05 Thursday
素敵な本をいただいた。あさこさんという文筆家/編集者からだ。
あさこさんと僕は戦友のようなカンケイといったら過剰だろうか。
2004年参院選で民主党のコミュニケーション戦略をやった時、あさこさんには数カ月間、
僕のコミュニケーションパートナーをやっていただいた。
なにしろ昼間はもちろん、夜は10時頃、朝は午前3時とか4時頃、
平気で毎日のように電話をかけたのだ。
絶大な信頼関係のなかで数々のクリエイティブが世に出た。
彼女がいなかったら「まっすぐに、ひたむきに。」という、
最も気持ち良いコピーは僕の中で生まれなかった。
そのあさこさんのサポートで僕は本を数冊書くことになった。
本書を紹介したのは、彼女はなんて気持ちいい本を勧めるんだろうと思い、
そのお裾分けがしたかったからだ。
月の写真と月の神話で構成された、心が癒されるとってもいい本です。
編集長 尾中謙文

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2008.06.02 Monday
本書の「私のロールモデル」というコーナーが面白い。
梅田望夫は今北純一、エスター・ダイソン、村上春樹で、
斉藤孝はナポレオン、加納治五郎、ゲーテとある。
これだけ違う二人に共通点があると、お互いが多様性を尊重する。
徳育が必要な今だからこそ、それぞれに主張するリアルな欠乏感に緊張感がある。
時代の寵児でありながら、巷に理解されない知識人が「いかに生くべきか」を語る。
また本やブログを幕末維新期の私塾になぞらえ、学びとは何か、志とは何かを問い続ける。
ふたりの「座右の書」が興味深い。「森有正エッセー集成、近代絵画、金子将棋教室」by梅田。
「いしぶみ、ある明治人の記録、ツアラトウストラ、知覚の現象学」by斉藤。
あなたの「座右の書」は何だろうか。
編集長 尾中謙文

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2008.05.26 Monday
ピカソは「一枚の傑作を描くよりも、その画家が何者であるかということが重要である」と言った。
岡本太郎とは何者なのか。「新しいといわれればもう新しくない」と岡本は言う。新しい瞬間とは何か。
「芸術はきれいであってはならない」「芸術はうまくあってはならない」
では岡本の目指す芸術とは何か。芸術はなぜ必要なのか。
本書は54年前に書かれた。今もって全く古さを感じない。むしろ斬新な言霊に溢れている。
芸術は決意の問題で、ゴッホやゴーギャンのように「素人」でもできると岡本は言いきる。
ならば今、芸術の爆発力がなぜ日本人に足りないのか。
「芸術は爆発だ。邪道が正道である」という岡本太郎の声が木霊する。
編集長 尾中謙文

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2008.05.24 Saturday
多くの人は、いつか社会に貢献できる仕事(天職)をしたいと思っている。
しかし一方で、先日紹介した勝間さんの「インディペンデントな生き方」にもあるように、
女性の中には高収入の男性と結婚したがる人がいるため、
お金持ちになる仕事(適職)を選ぶという煩悩に揺れる人もいる。
若者の中には、そもそも何故お金持ちを目指さなければならないのか、という疑問を持つ人も多い。
確かにお金持ちの中には面白みもなく、道徳観や人間的魅力がなく、
ただお金持ちであるという理由で、本来以上の評価を世間から受けることがあるのもまた事実だ。
しかし本書ではそうした客観性にも触れながら、
「成功した人々は、みんな得意なことを選んで、楽しみながら仕事をしていた」ことや
「つらい子供時代を過ごした人の15%がすぐれた人物になっている」ことなど
お金とは関係なく、人生を前向きに自己実現したい人にとって、
やる気にさせるエピソードがたくさんある。
「あれがやりたいと思ったら、実行しなさい。
でなければ、やりたいと思うのをやめなさい」とマーシャは言う。
あなたはあなたの能力を活かした仕事をしているだろうか。
編集長 尾中謙文

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2008.05.23 Friday
以前、リサ・ランドール(ワープする宇宙)で多元宇宙の話を紹介したが、
ポールは違う視点で多宇宙について語っている。
「統計学の基本ルールが、偶然が作用している任意の系に対して成り立つ。
宇宙の構造もそのひとつだ。どこでも同じようなプロセスが同じように起こっているのだから、
十分長い旅をすれば、地球にたいへんよく似た惑星がいつかは見つかるだろう」
つまり、地球と全く同じ惑星ができる確率は、簡単に計算ができるというのだ。
また、MITの宇宙論研究者マックス・テグマークは、
宇宙にいる「もうひとりの自分」との平均距離を10~10の29乗メートルと導きだした。
これを観測可能な宇宙の大きさと比べると、驚くほどわずかな距離だということがわかる。
無限は、どんなに確率が低いことでも必ず起こしてしまうのだ。
ポールは本書で
「宇宙は何でできているのか、宇宙全体が一体に保たれているのはなぜか」を探求している。
いま地球で起きている戦争は、宇宙全体にとっていったい何の意味があるのだろうか。
編集長 尾中謙文

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2008.05.21 Wednesday
ファインマンをご存じだろうか。
ファインマンは量子電磁力学で、シュウィンガー、朝永とともに
ノーベル賞を受賞した物理学者であり教育者だ。
本書は自身が型破りな人生を紹介しているユニークなエピソード集だ。
ファインマンの変人ぶりはどうか。
彼は幼少より自宅に研究室を作るほど数学・物理が好きな秀才だが、
運動は苦手だったと本人は言う。
しかしボンゴの名手で、サンフランシスコのバレエ団でパーカッションを担当。
バレエの国際コンテストでも2位に入賞するなど、本当に運動が不得手だったのか疑わしい。
MIT、プリンストン大学院を出たあと、ロスアラモス研究所に務める。
しかし犯罪者から習った金庫破りを、機密書類の入ったキャビネットを相手に次々に実践するなど、
研究者だから許されるイタズラを連発した。
原爆開発やNASAにも携わったが、遊びながら物理学をやろうと決心し、ストリップ小屋に通い続けた。
来日した時は自らを「不敗魔」と呼んでいる。ウイットのセンスも枯れた味を出している。
ファインマンの素晴らしさは、一つのことをやるとノーベル賞を穫る集中力を持ちながら、
周囲に常に笑いをふりまき、天狗にならず、変なプライドも無いことだ。
また一方で、学問においては型にはまらない考え方でノーベル賞を穫り、
教育者として学生に勇気を与え続けたことだ。
さて、教育者の役割とはなんだろうか。
編集長 尾中謙文

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2008.05.16 Friday
勝間さんは公認会計士を最年少19才で合格し、3人の子育てをしながらMBA、中小企業診断士を取り、
TOEICを3年で900点にするという、並はずれた才能をいくつも持っている女性だ。
きっとセルフコントロールと継続性にとても優れているのだろう。
今や時の人になった勝間さんは、
ポジティブな女子大生やキャリア女性が憧れるスター的存在であり、偉大な目標でもある。
その勝間さんが自己の体験をもとに実践ガイドを書いたのだから、女性でなくても少し気になる。
ちなみにインディ(自立した生き方をしている女性)にとってのいい男とは
「年収が1千万以上あり、それが精一杯の状態ではなく、今後も継続して年収が上げられる男。
インディの価値をわかっていて、女の夢やキャリアを邪魔せずに、パートナーとして助けられる男。
インディと一緒に、年齢とともに成長していく男」
なのだそうだ。
インディと言いながら、パートナーの収入が何故1千万以上なのかは全く不明だが、
あなたはいくつあてはまるだろうか。
編集長 尾中謙文

Text by onaka
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