BLOG | WHITEHEAD May:2008

ぼくの本棚222:今日の芸術/時代を創造するものは誰か by 岡本太郎

2008.05.26 Monday

ピカソは「一枚の傑作を描くよりも、その画家が何者であるかということが重要である」と言った。
岡本太郎とは何者なのか。「新しいといわれればもう新しくない」と岡本は言う。新しい瞬間とは何か。
「芸術はきれいであってはならない」「芸術はうまくあってはならない」 
では岡本の目指す芸術とは何か。芸術はなぜ必要なのか。
本書は54年前に書かれた。今もって全く古さを感じない。むしろ斬新な言霊に溢れている。
芸術は決意の問題で、ゴッホやゴーギャンのように「素人」でもできると岡本は言いきる。
ならば今、芸術の爆発力がなぜ日本人に足りないのか。
「芸術は爆発だ。邪道が正道である」という岡本太郎の声が木霊する。

編集長 尾中謙文

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ぼくの本棚221:ワクワクする仕事をしていれば自然とお金はやってくる by マーシャ・シネター

2008.05.24 Saturday

多くの人は、いつか社会に貢献できる仕事(天職)をしたいと思っている。
しかし一方で、先日紹介した勝間さんの「インディペンデントな生き方」にもあるように、
女性の中には高収入の男性と結婚したがる人がいるため、
お金持ちになる仕事(適職)を選ぶという煩悩に揺れる人もいる。
若者の中には、そもそも何故お金持ちを目指さなければならないのか、という疑問を持つ人も多い。
確かにお金持ちの中には面白みもなく、道徳観や人間的魅力がなく、
ただお金持ちであるという理由で、本来以上の評価を世間から受けることがあるのもまた事実だ。
しかし本書ではそうした客観性にも触れながら、
「成功した人々は、みんな得意なことを選んで、楽しみながら仕事をしていた」ことや
「つらい子供時代を過ごした人の15%がすぐれた人物になっている」ことなど
お金とは関係なく、人生を前向きに自己実現したい人にとって、
やる気にさせるエピソードがたくさんある。
「あれがやりたいと思ったら、実行しなさい。
でなければ、やりたいと思うのをやめなさい」とマーシャは言う。
あなたはあなたの能力を活かした仕事をしているだろうか。

編集長 尾中謙文

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ぼくの本棚220:幸運な宇宙 by ポール・デイヴィス

2008.05.23 Friday

以前、リサ・ランドール(ワープする宇宙)で多元宇宙の話を紹介したが、
ポールは違う視点で多宇宙について語っている。
「統計学の基本ルールが、偶然が作用している任意の系に対して成り立つ。
宇宙の構造もそのひとつだ。どこでも同じようなプロセスが同じように起こっているのだから、
十分長い旅をすれば、地球にたいへんよく似た惑星がいつかは見つかるだろう」
つまり、地球と全く同じ惑星ができる確率は、簡単に計算ができるというのだ。
また、MITの宇宙論研究者マックス・テグマークは、
宇宙にいる「もうひとりの自分」との平均距離を10~10の29乗メートルと導きだした。
これを観測可能な宇宙の大きさと比べると、驚くほどわずかな距離だということがわかる。
無限は、どんなに確率が低いことでも必ず起こしてしまうのだ。
ポールは本書で
「宇宙は何でできているのか、宇宙全体が一体に保たれているのはなぜか」を探求している。
いま地球で起きている戦争は、宇宙全体にとっていったい何の意味があるのだろうか。

編集長 尾中謙文

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ぼくの本棚219:ご冗談でしょう、ファインマンさん<上下巻> by リチャード・P・ファインマン

2008.05.21 Wednesday

ファインマンをご存じだろうか。
ファインマンは量子電磁力学で、シュウィンガー、朝永とともに
ノーベル賞を受賞した物理学者であり教育者だ。
本書は自身が型破りな人生を紹介しているユニークなエピソード集だ。
ファインマンの変人ぶりはどうか。
彼は幼少より自宅に研究室を作るほど数学・物理が好きな秀才だが、
運動は苦手だったと本人は言う。
しかしボンゴの名手で、サンフランシスコのバレエ団でパーカッションを担当。
バレエの国際コンテストでも2位に入賞するなど、本当に運動が不得手だったのか疑わしい。
MIT、プリンストン大学院を出たあと、ロスアラモス研究所に務める。
しかし犯罪者から習った金庫破りを、機密書類の入ったキャビネットを相手に次々に実践するなど、
研究者だから許されるイタズラを連発した。
原爆開発やNASAにも携わったが、遊びながら物理学をやろうと決心し、ストリップ小屋に通い続けた。
来日した時は自らを「不敗魔」と呼んでいる。ウイットのセンスも枯れた味を出している。
ファインマンの素晴らしさは、一つのことをやるとノーベル賞を穫る集中力を持ちながら、
周囲に常に笑いをふりまき、天狗にならず、変なプライドも無いことだ。
また一方で、学問においては型にはまらない考え方でノーベル賞を穫り、
教育者として学生に勇気を与え続けたことだ。
さて、教育者の役割とはなんだろうか。

編集長 尾中謙文

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ぼくの本棚218:インディペンデントな生き方 実践ガイド by 勝間和代

2008.05.16 Friday

勝間さんは公認会計士を最年少19才で合格し、3人の子育てをしながらMBA、中小企業診断士を取り、
TOEICを3年で900点にするという、並はずれた才能をいくつも持っている女性だ。
きっとセルフコントロールと継続性にとても優れているのだろう。
今や時の人になった勝間さんは、
ポジティブな女子大生やキャリア女性が憧れるスター的存在であり、偉大な目標でもある。
その勝間さんが自己の体験をもとに実践ガイドを書いたのだから、女性でなくても少し気になる。
ちなみにインディ(自立した生き方をしている女性)にとってのいい男とは
「年収が1千万以上あり、それが精一杯の状態ではなく、今後も継続して年収が上げられる男。
インディの価値をわかっていて、女の夢やキャリアを邪魔せずに、パートナーとして助けられる男。
インディと一緒に、年齢とともに成長していく男」
なのだそうだ。
インディと言いながら、パートナーの収入が何故1千万以上なのかは全く不明だが、
あなたはいくつあてはまるだろうか。

編集長 尾中謙文

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ぼくの本棚217:恐竜はなぜ鳥に進化したのか by ピーター・D・ウオード

2008.05.15 Thursday

地球上にはまだまだ土地はたくさんある。
しかし、そこは広大な低酸素地帯で、残念ながらほとんどの人間は生きていけない。
人間はなぜ酸素に煩わされなければならないのか。
人間は単純な微生物と違い、活動に莫大なエネルギーを必要としているからだ。
酸素がはたす役割は2つある。
代謝によってエネルギーを変える時と、生命に必要な酵素を分子結合する時である。
本書を読み抜くにはこの程度の話には付き合ってもらわなければならない。
何故なら、本書のテーマは6億年にわたる大気の酸素変化が、
動物の進化にどのように影響を与えたかという仮説検証だからだ。
特に古生代とカンブリア期の生物進化は、爆発で酸素が大量に無くなったことから起きている。
三葉虫も低酸素呼吸をするためにあの形になった。
巨大恐竜は今の半分しかない酸素密度の中で必然的に生まれた。
古代を調べれば未来が見えてくる。
海面の上昇によって、酸素の密度はどうなるのか。その時、人間はどう進化するのか。
いささか高度な話だが、本書の高密度の内容はきっと一読に値するはずだ。

編集長 尾中謙文

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ぼくの本棚216:第一感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい by マルコム・グラッドウェル

2008.05.14 Wednesday

あなたは直感を信じるほうだろうか。ではその直感はどこから来るのだろうか。
理由はわからないが、考えるより感じることで成り立っていることの方が、現実には多いのではないか。
では洞察力はどうか。あなたは論理的思考だけで、物事の本質を見抜くことができるだろうか。
気がつくと、日常の行動のほとんどは経験による暗黙知から来ていないだろうか。
人は無意識に自分にとって最適な行動をとっている。
そしてほんの少しの情報で本質をつかもうとする。
だから間違いも多い。落ちついて考えると理想と現実のズレに気づく。
本書では、人が普段いかに先入観や思い込みで行動しているか、
その能力と限界がどこに起因するのかがわかる。
仕事で直感を磨きたい貴兄にお薦めしたい一冊だ。

編集長 尾中謙文

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ぼくの本棚215:未来をつくる資本主義 by スチュアート・L・ハート

2008.05.07 Wednesday

胡錦濤国家主席が来日した。
北京オリンピックの聖火リレーを巡って、世界中が中国の人権問題を批判しているが、
ただ非難するだけでは真の問題は解決しない。
特に日本の場合、北朝鮮の問題も中国抜きには解決しないし、
食の問題もギョウザ一つで大騒ぎするくらいだ。
政治経済にわたり多くの利害関係は、絡み合って切っても切れない。
つまり日中関係は、両国がこれからつくる未来を 対話しない限り、今の不都合は解決しない。
一方で中国人旅行者が急増し、行儀作法やモラルはともかく、
この不況の最中、観光地やメイド・イン・ジャパ ンにお金を落としてくれていることは間違いない。
日本は戦後の半世紀の間、 多くの国々の物質的、精神的援助を受け、
モラルの高い豊かな大国に成長した。
グローバリズムが進行し様々な問題が起きる中、今後の経済システムをいかに継続させるか、
長期の健全性をいかに担保するかは、市場の進化にかかっていると本書で言っている。
スチュアートはデュポン、HP、P&G、シェルの問題解決を手掛けたプロ中のプロ。
貧富の格差を食い止めるビジネスの可能性を探り、
いかに自然破壊をもたらさない実践可能なシステムをつくるか、
今まさに真の対話力が問われている。

編集長 尾中謙文

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ぼくの本棚214:ピタゴラスの定理 by E・マオール

2008.05.02 Friday

ピタゴラスの定理をご存じだろうか。直角三角形の3辺の長さの関係を表す、あの等式である。
ピタゴラスは紀元前5世紀頃ギリシャ時代の数学者だが、実際には彼が発見したわけではない。
古代エジプトや古代バビロニアなどでは、すでにこの定理は知られていたが、
なぜピタゴラスの名が冠せられたのかは不明だ。
1993年、ワイルズが解いた「フェルマーの最終定理」も、
実は4000年前に古代バビロニア人がすでに同じ型の方程式を調べていた。
本書ではモーツァルトのリズムがピタゴラスの恒等式で表現されることや、
世界中の難解な証明問題、果ては相対性理論まで知られざる逸話が多く、
休日に頭を鍛えたい数学好きの貴兄には楽しい一冊だ。

編集長 尾中謙文

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