BLOG | WHITEHEAD January:2007

ぼくの本棚11:不都合な真実 by アル・ゴア

2007.01.31 Wednesday

近年、異常気象が世界中で通常に起こり続けている。大地震に街を破壊される現実に、たびたび遭遇してきた日本ほど、コントロール不可能な地球の脅威を体感している国民はいない。ところが地球温暖化問題は、問題点がわかってもすぐに起こるわけではない。これは出来る限り先延ばししたい、という人間の弱さを試されている脅威なのではないか。ゴアは「地球のためにあなたが出来る最初の一歩はこの事実を知ることだ」という。様々な「不都合な真実」は、事実をねじ曲げた政治家にとってなのか。事実を認めたくない科学者にとってなのか。いずれにせよ、このまま温暖化問題をほっておけば、あと40年で北極の40%の氷が溶けてしまうという真実は、世界中のひとりひとりにとって、背筋が寒くなるような恐ろしい現実だ。

編集長 尾中謙文








不都合な真実
不都合な真実
posted with 簡単リンクくん at 2007. 1.30
アル・ゴア著 / 枝広 淳子訳
ランダムハウス講談社 (2007.1)
通常1-3週間以内に発送します。

Text by onaka

ぼくの本棚 | TB: 1

ぼくの本棚10:百年の愚行 by Think the Earth Project

2007.01.30 Tuesday

Think the Earth Project
百年の愚行

日常の生活の中で、地球や人間にとって最も大事なことは何か、を忘れてしまいそうなくらい平和ボケしている国、日本。この国の中では、低俗なメディアから吐き出され続ける低質な情報が、日本人のボケを強度に進行させている。ふと我に還り、現実に目を向けてみると恐ろしい勢いで、さまざまなモラルの崩壊が起きている。本書に編纂された、100点の写真のひとつひとつどれもが、地球と人間の原点を振り返る、強烈なパワーを持っている。百聞は一見にしかず。私達の子孫がどうぞ無事に生き延びることができますように、祈らざるを得ない一冊だ。

編集長 尾中謙文








百年の愚行 (普及版)

Think the Earthプロジェクト (2002.4)
通常2-3日以内に発送します。

Text by onaka

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ぼくの本棚9:ガイアの復讐 by ジェームズ・ラブロック

2007.01.29 Monday

ジェームズ・ラブロック
ガイアの復讐

ラブロックが「生きている地球」というメタファーを使い、ガイアと呼んだのは1971年のこと。やがてそれは「生物圏が地球の気候と大気の組成を、生物が生きていく上で最適な状態に調整・維持している」ガイア仮説に発展する。つまり暑いにしろ寒いにしろ、その勢いがあまりに強いと、ガイアも楽に維持できる状態に移行するとラブロックは言う。「今、必要なのは、現実に迫っている危機を世界中の人々が察知して、秩序正しい持続可能な撤退を無条件で開始すること」とショッキングな結論を言っている一方で、核については、及ぼす影響が非常に少ないというデータを出している。尊敬してやまないラブロックでさえも、地球温暖化を防止しなければというあまり、その解釈に間違いを犯してしまうのかという驚きをかくせない。

編集長 尾中謙文






ガイアの復讐
ガイアの復讐
posted with 簡単リンクくん at 2007. 1.30
ジェームズ・ラブロック著 / 秋元 勇巳監修 / 竹村 健一訳
中央公論新社 (2006.10)
通常24時間以内に発送します。

Text by onaka

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ぼくの本棚8:この国のけじめ by 藤原正彦

2007.01.26 Friday

「国家の品格」で知る人も多い藤原正彦は、新田次郎の次男であり、数学者である。今の日本には教養が欠けている。それは「一見何の役にも立ちそうもにない、文学、歴史、科学芸術などの教養である。」と氏は言っている。「実用に役立たない学問や教養より、金のありがたみを知り、社会勉強をするほうが良い」と考えている人々に対して、氏の言う「社会勉強など必要ない。学校を出たら否応なく一生社会勉強」には合点がいく。国家再生への道標は何か。戦略なき国家がはたすべきことは何か。誇り高き日本の文化を愛する氏の言葉には、現代人の傲慢さを恥ずかしく思い、教養が無くなった日本への強烈なアンチテーゼを感じる。

編集長 尾中謙文






この国のけじめ
藤原 正彦著
文芸春秋 (2006.4)
通常24時間以内に発送します。

Text by onaka

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ぼくの本棚7:脳と魂 by 養老孟司・玄侑宗久

2007.01.25 Thursday

「バカの壁」で時の人になった解剖学者、養老孟司と「中陰の花」で芥川賞を穫った臨済宗の住職、玄侑宗久が、禅問答にも似たリズミカルで悟りのシャワーをあびるような、刺激的な対談を続ける。目線の高さ、認識の深さ、自然への畏怖と愛情、どれもが心地良く、憚りが無い。観念と身体、都市と自然、世間と個人、脳と魂など知りたかった謎や智慧がふたりから溢れ出て、川のように流れ続ける。文字を追いながら変わっていく自分の意識を楽しめる、不思議な対談集だが、ふたりの言葉には生きる希望が湧いてくる何かがある。

編集長 尾中謙文








脳と魂
脳と魂
posted with 簡単リンクくん at 2007. 1.25
養老 孟司〔著〕 / 玄侑 宗久〔著〕
筑摩書房 (2005.1)
通常2-3日以内に発送します。

Text by onaka

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ぼくの本棚6:梅原猛の授業 仏教 by 梅原猛

2007.01.24 Wednesday

梅原猛
梅原猛の授業 仏教

知ってそうで知らないことが多い、仏教。これは、こむずかしい仏教理論などではなく、近代の日本道徳教育に、仏教の思想がまったく受け継がれていないことを危惧した梅原猛が、小中学生向けに教えたかったものである。「科学は必ずしも人間や地球を豊かにしない」ことや「イチローは空を実践している」など12時限に渡って講義した、中学生に聞かしておくのはもったいない講義録である。徳を守ってしっかり生きる次世代を育てたいなら、こういう授業をもっと増やしてもらいたいと思う、教育者必読の書である。最後の授業では911テロが一週間前に起きたことを話すシーンから入るライブ感もあり、梅原猛の人柄の暖かさを感じぜずには読めない。

編集長 尾中謙文








梅原猛の授業仏教
梅原 猛著
朝日新聞社 (2002.2)
通常2-3日以内に発送します。

Text by onaka

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ぼくの本棚5:神々の沈黙 by ジュリアン・ジェインズ

2007.01.23 Tuesday

ジュリアン・ジェインズ
神々の沈黙

プリンストン大学で心理学教授だった著者は心理学、人類学、歴史、哲学、文学などの多岐に渡る研究の末、膨大な証拠から、人類の古代意識の誕生に関わる推論を導きだす。人類の意識はわずか3000年前に芽生えたもので、古代文明は右脳にささやく神々の声に従う「二分心」の人間たちによって造られていたというのだ。やがて人間は文字と意識を得て、「二分心」は崩壊し神々は沈黙した。という斬新なSF的な解釈だが、圧倒的な証拠に裏づけられた学術的正当的主張には、その壮大なスケールとともに、ただただ驚くしかない。

編集長 尾中謙文








神々の沈黙
神々の沈黙
posted with 簡単リンクくん at 2007. 1.24
ジュリアン・ジェインズ著 / 柴田 裕之訳
紀伊国屋書店 (2005.4)
通常2-3日以内に発送します。

Text by onaka

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ぼくの本棚4:ガイアの素顔 by フリーマン・ダイソン

2007.01.21 Sunday

理論物理学者、宇宙物理学者であり、朝永、シュウィンガーらの量子電磁力学の等価を証明したことで有名な(といっても一般的ではない)ダイソンが「成功する科学プロジェクトに適切な規模はあるのか?」「理想の科学教育とは?」「地球環境問題への提案」などかなり一般的な問題を取り上げているのが面白い。もちろん得意分野の「宇宙探査の未来」などもある。オッペンハイマー、ファイアマンといった20世紀を代表する智の巨人たちとの交流がある天才科学者ダイソンが、科学や人類や宇宙の行方を語った、その筋が好きな人には魅力のある哲学エッセイ書である。

編集長 尾中謙文






ガイアの素顔
ガイアの素顔
posted with 簡単リンクくん at 2007. 1.24
フリーマン・ダイソン著 / 幾島 幸子訳
工作舎 (2005.4)
通常2-3日以内に発送します。

Text by onaka

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ぼくの本棚3:22世紀のグランドデザイン by 竹村真一

2007.01.19 Friday

竹村真一
22世紀のグランドデザイン

川崎和男、香山リカ、西川りゅうじん、野村万之丞、糸井重里など多彩な顔ぶれから100年という距離感で、ものの見方や価値感の基軸を探るという巨視的な物差しを与えてくれる編書。様々な論点は浮き彫りにされるだけで、個々には掘り下げられていない。しかし人間とは?生命とは?地球とは?といった感性で、ミクロからマクロまで創発されていくテーマを、気鋭の知性人たちが、本質的に問い直すことで見えてくる時代観は、未熟な知性をいやというほど自覚させられ、十分楽しめる。

編集長 尾中謙文






22世紀のグランドデザイン
竹村 真一編
慶応義塾大学出版会 (2001.10)
通常2-3日以内に発送します。

Text by onaka

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ぼくの本棚2:風の男 白州次郎  by 青柳恵介

2007.01.18 Thursday

青柳恵介
風の男 白州次郎

『プリンシプルのない日本』であまりにも有名になりすぎた白州次郎だが、僕の最も敬愛する人物の一人なので紹介したい。「正直とか正義とかいう言葉は、一直線に自分の生涯を歩んできた人間の放つ美しい光を表す」白州を表現する文体の一つ一つが洗練されていて美しい。私利私欲で動かず、判断は常に素早く、行動は機敏という反面、ユーモアがあり一言で緊張した空気を和らげた白州の横顔を、正子夫人ほか友人知人への緻密な取材のもとに書かれた良書である。白州次郎は戦後の再建に「日本人の誇り」を刻みこんだ人である。

編集長 尾中謙文






風の男白洲次郎
青柳 恵介著
新潮社 (2000.8)
通常2-3日以内に発送します。

Text by onaka

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